ニュージーランドのモーテルは、車で旅行する人が多い国ならではの施設です。元来、旅の必要なものを車に積んでドライブに出かけ、その日の気分や天気などと相談しながら宿泊地を決め、表の「NO VACANCY」サインを見ながらモーテルに入り、決めたら自分の部屋のそばで車を泊めて荷物を下ろす…という気ままな旅にもってこいの施設でした。「NO VACANCY」は満室、「VACANCY」は空きありという意味です。
今は、その姿も使われ方も多様化してきていろんなタイプが存在するようになりましたが、駐車場は必ずついていて室料に含まれています。部屋はゆったりしていて、キッチン付、ガラスのドアから出入りするところが多いのも特徴的です。近代的な都市型のものから、スパやプール、レストランなどが付いているような大型施設までいろいろ。また、特に市街地に近いモーテルでは簡易キッチンしかついていないところも増えてきました。いずれにしても、宿泊サービスを主に提供することに焦点をあてていますから、同等クラスのホテルと比べると安価な施設と言えます。
一般的に家族経営されており、平屋か2階建ての建物であることが圧倒的に多く、一施設の部屋数は6,7部屋から25部屋くらい。たいていホストは同じ建物内の住居に住んでおり、そのため、オフィスの受付時間が限られています。時間外は緊急の時以外、フロントを呼び出さないようにしましょう!また、連泊する場合のお部屋のお掃除に入る時間も限られていることが多いです。
日本でお茶が部屋に備わっていることが多いのと同じように、紅茶やコーヒーがおいてあります。ニュージーランドでは、紅茶にミルク(牛乳)を入れますが、モーテルによってはチェックインの際、普通牛乳か低脂肪牛乳どちらが欲しいか聞かれます。一般的に普通牛乳のふたは青、低脂肪が緑とされていますので、「Blue or Green?」って聞かれることもあるんです!
以前は、分厚いモーテルのリスト集がどの家庭でも車に1冊は転がっていたものですが、最近は事前にインターネットで調べたり、スマートフォンなどで検索をして探したりというスタイルが広がってきて、予約も、飛び入りや電話中心でしたが、今はオンラインでする方が多くなってきました。
もちろん最近では、車を使わない人にも便利になってきました。特に街に近いモーテルでは満室なのに駐車場ががらがらの事も多いものです。主要な都市では空港や駅からのシャトルバスやタクシーが充実していますし、モーテルのホストが送り迎えをするというところもあります。
クライストチャーチでは、先の地震で大規模なホテルやバックパッカーズが軒並み被害を受け、いまだ再開していなかったり、解体を余儀なくされたりしたところが多く、その数は激減しました。これに対して、モーテルは、低層である上にそれぞれの部屋の間が防火・防音壁になっているためか、大きな被害を受けたところはほとんどなく営業を継続し現在に至っています。
地震後のクライストチャーチでは、復興の為に毎週NZ各地から仕事で来るビジネスマンが多い為、週末の方が比較的空いてはいますが、モーテルに限らずどんな宿泊施設を利用するにしても、事前に予約しておくことをお勧めします。