現在所有している物件を売却して、新しい物件を購入する場合、物件を売却してからのほうがいいのか、新しい物件を見つけてから、所有している物件を売りに出したほうがいいのか悩むところだと思います。
所有している物件がどのくらいの価格で売却できるのか、マーケット事情を踏まえた上で知っておくことが必要です。また、物件売却にかかる時間は、エリアや物件などの条件によって違ってきます。もちろん、売り出す時期によっても違ってくることもあるので、市場状況を確認することをお勧めします。所有している物件エリアの過去の売買実績もあわせて、総合的なチェックが必要となってきます。
所有している物件の市場価格は、市場状況や過去の販売実績をもとに想定することができます。しかし、実際に物件が売却されるまで、売却費用を新たに購入する物件にどれだけ費やすことができるかわかりません。
新たな物件を購入する際の条件として、現在自分の所有している物件が売却できた際に契約成立となる条件をつけることができます。通常は4~6週間以内に、現在所有している物件を売却するといった条件ですが、この期間内で所要している物件を売却しなければ新たな物件を購入することができません。売り手側からは、もしもこの4~6週間の間に別の購入希望者が良い条件を提示した場合には、2~3日確認期間を持って新たな購入希望者と契約できるという条件(Roll over clause)をつけてくるケースも多くあります。
新しい物件を見つけ購入意思を提示した後に自分の物件を売りに出す方がいますが、売却に時間がかかってしまうことも・・・。最悪の場合には、物件を売却できずに新たな物件を購入できないということも起こります。
物件をすでに売却していれば、新たに購入する物件にどれだけ費用をかけることができるか明確です。交渉では自分の所有している物件を売却したら本契約という条件をつける必要がないので、「キャッシュ・バイヤー」となります。現金で物件購入となると、ほかの購入希望者よりも優位な立場に立つことができます。特に最近では、自分の家が売れたら本契約という条件がついた購入条件が多くあるので、売主はスムーズに売却できる可能性が高いキャッシュ・バイヤーの方を好む傾向にあります。
例えば、あなたが現在所有の物件を$400,000前後で売却したいと考えています。そして、2人の購入希望者が現れました。2人の条件は以下の通りです。あなたならどちらを選びますか?
①$390,000、キャッシュ・バイヤー
②$410,000,8週間以内に買主の物件が売却できたら本契約
売却を急いでいなければ、金額の高い②の$410,000のオファーを取るかもしれません。8週間以内に買い手の物件が売却できればいいですが、売却できなかった際にはまた新たにマーケットに出して、買い手を探さなくてはなりません。
①は②に比べて$20,000安いけれども、キャッシュ・バイヤーなので本契約になる可能性は非常に高く、ここで自分の物件を売却できれば次に新たに自分の物件を購入する際に、自分たちもキャッシュ・バイヤーとして優位な立場で交渉を進めることが可能です。
「現金強し」と一般的にいわれますが、不動産売買でもやはり現金即決がかなり有利になっています。できれば、現在所有の物件を売却してから次の新しい物件を購入することが望ましいです。
もし、すでに新しい物件を見つけ現在所有の物件が売却されたら本契約という条件をつけているのなら、現在所有している物件をオークションで売却することをお勧めします。キャッシュ・バイヤーが集まるオークションなら、物件売却がスムーズに進む可能性が高いからです。
オークションで物件を売却する際には、3~4週間のマーケティングを集中して行い、物件に興味のある人をでき
るだけ集めオークションに参加してもらいます。オークションに参加する人はキャッシュ・バイヤーで、オークションのときに契約成立にいたればその場で10%の手付金が支払われるのです。
物件を売却するにも購入するにも、市場状況や市場価格をよくご確認ください。マーケット事情が良くわかっている不動産コンサルタントに連絡をすれば、過去の売買実績データとあわせて、売却、購入のアドバイスを受けることもできます。