クライストチャーチ地震後、不動産売買は地震の被害エリアや住宅保険が大きく影響している。液状化の被害の多かったTC3(ブルーゾーン)の物件売買が停滞しまっているということはなく、物件の構造上問題がないかどうか調査(エンジニアリングレポート)と現オーナーが加入している住宅保険を購入者が引継ぎ可能であれば、購入できる。
投資家の中には、TC3エリアで家に大きなダメージがあるが、住むことができ、なおかつ保険会社が修繕をしてくれる物件を選んで、購入している人も増えている。家の
ダメージはEQCや保険会社が将来的に修繕してくれるので、修繕までは物件を賃貸する。クライストチャーチの賃貸需要は今もとても高い。
家のダメージが多く、EQCと保険会社で家の建て直し費用を受け取り、土地だけの売却をしているケースも増えている。土地に家は付いているが基本的には、土地だけの売買となるので一般の売買よりも格安になる。中には、家に住宅保険はかかっていないが、住むことが可能なので、購入後そのまま家を維持し、数年後、家の建て替えを考えている人もいる。
ただ、銀行ローンを利用して、物件購入を考えている場合には、必ず住宅保険に加入しなくてはならないので、上記のようなケースの物件をローンを利用して購入は難しい。
クライストチャーチ地震後、不動産売買で、物件に住宅保険がかけられているかどうかがとても重要になってきている。
基本的には、現在物件を所有している人が加入している保険会社を利用して、次の買手に引き継ぐことができる。
ただ、築年数が1935年以前の物件に関しては、
* 屋根を葺き替えているか (Re-Roof)
* 電気配線をやり直しているか (Re-wired)
* 配水管をやり直しているか (Re-plumbed)
* 床を修繕しているか (Re-piled)
上記の条件を3つ以上、満たしていないと物件売却の際に、次の買手に保険引継ぎができないという保険会社がほとんどである。
また、保険会社によっては、EQCからの修繕レポート(Scope of Works/Statement of Claim)の提出、もしも、すでにEQCの修繕が終了している物件であれば、修繕完了書類を提出する必要がある。場合によっては、エンジニアリングレポートの提出が必要なることもある。エンジニアリングレポートの費用は、物件の土台がコンクリートか、木であるかによって価格が変わってくるが、$500~600+GSTくらいである。
クライストチャーチ地震直後、保険会社では新規に住宅保険に加入できる会社はほとんどなかったが、新築物件に関しては、新規に住宅保険加入が可能である。
併せて、土地のカテゴリーでTC1(グレーゾーン)、TC2(イエローゾーン)の物件で、1950年以降に建築された物件であれば、新規に住宅保険加入を検討するという保険会社も出てきた。その際には、EQCからのScope of Works/Statement of Claimの書類あるいは、エンジニアリングレポートを提出して査定してもらう。