日本の公的な健康保険には海外療養費支給制度(呼び方はこれ以外にもいくつかあります。)というのがあり海外での病気や怪我の治療費を日本の健康保険から支給してもらうことができる制度があります。よくご質問をうけるので、いくつかの地方自治体にあらためて電話で聞いてみました。
*ここでいう健康保険はいわゆる国保、社保と呼ばれる公的な健康保険のことです。保険会社で販売されている医療保険などのことではありません。
これは健康保険に加入していると海外渡航中の治療費を払い戻してくれる制度です。非常にありがたい仕組みではありますが、やはり条件などあって十分気をつけなくてはいけない点がいくつか。
1、海外で受けた治療額が支給されるのではなく、健康保険の対象である日本で同じ治療を受けた時の金額か実際の治療額のどちらか低いほうから自己負担分(国保の場合3割負担)を差し引いて支給される。
日本の治療費は健康保険で金額が決まっています。(逆に決まっていないものは健康保険の対象外。)一方、ニュージーランドの私立病院は自由診療なので日本の治療費より高い場合が多いようです。なので、海外で掛かった治療費がすべて出ると訳ではありません。
2、海外で病気、怪我になった時点で日本の健康保険に入っている必要がある。
この支給をうけるためには、病気の時点で日本の健康保険に入っている必要があるので、保険料を支払い続けているのが前提となります。病気後に加入しても加入日前の部分は対象にはなりません。
3、一度は自分で支払った後に必要書類を提出、審査後に支給される。
まずご自身で治療費を支払い、それを後から支給を申請する制度なので、直接、健康保険から病院に支払われるわけではありません。その後、必要書類を自分で用意、和訳して提出をしなければいけません。また翻訳は翻訳者の印が必要です。加えて審査があるので必ず下りるわけではないようです。
非常にありがたい制度ではありすが、 こういった点から、健康保険から治療費が支給されるとことだけを頼りにすると、いざというとき高額な支払いが残こることは想像がつきます。保険に入る必要がないという事ではなく、併用していくことが重要なのでご注意ください。
また、この記事は出来るだけ正確であるよう努めていますが、この記事によって受けた損害なども含めいかなる事も保障するものではありません。詳しくは各市町村に問い合わせるなど必ずご自身でご確認ください。