ACC(The Accident Compensation Corporation)はニュージーランドで給与や国からの財源を基にした基金を使った社会保険制度で, 仕事中の事故や怪我から交通事故、スポーツの怪我なども含んで、 治療費だけでなく生活補償などを含み幅広く人身被害を保障します。
ACCは何を保障する?
事故で怪我をした場合の治療費を保障します。これは滞在資格にかかわらず、NZにいる方が対象です。怪我に関するカバーについてのページACCのホームページ
その後の経過により自宅での療養のサポートや怪我で仕事に行けないといった場合の収入の補填があります。収入の補填は、 その怪我がもとで働けない期間、最大で本来の収入の80%までの給付を受けることができます。 その他、 通院費, 身体的リハビリテーション, 就業支援・再訓練などなど幅広い範囲の保障があります。
また障害をもってしまった場合には, 一時金がその程度に応じて補償され,万が一死亡の場合は葬祭料および生存被扶養者への所得補償が支払われます。
ACCの費用はどこから?
ACCは基本的には保険制度と同じで、会社や自営業者はLEVYを支払う義務があり、またこのLEVYは車のレジストレーション費用にも含まれています。収入の無い主婦、子供、学生、また旅行者などは税金が負担しています。
注意が必要な点は?
最大のポイントは、怪我だけの保障で、病気は対象外になることです。特に収入のサポートについては“ACCがあるから大丈夫”と聞くことがありますが、 病気の場合の生活保護といったサポートはACCとは関係ありません。また大抵の病院では50̶100ドルくらいのサーチャージ(手数料)を請求されます。このため現実的にはまったく負担がないわけではありません。 保障があるのに50~100ドルという費用がかかるのが釈然としない方もいらっしゃるようですがACCも患者に対してこの請求を認めています。
またこの制度は一般的に加害者や過失のあるなしに関わらず、事故被害の補償はACCから受けることが出来るのが特徴です。一方で一般的に人的な賠償責任を求める事が出来ません。例えば交通事故で怪我や死亡をしても、加害者に対して人的な損害賠償を請求することが出来ません。万が一に備え、合理的な範囲の保険を検討することは賢明なことだと思います。