CBNの記事

TVの「リノベーション」番組の落とし穴

TVを点けるとNZだけではなくオーストラリアやはたまたアメリカの数々の「リノベーション」番組を観ることができ、それを楽しみにしている人もたくさんいるのではないでしょうか?

明らかにプロの大工ではない、たいてい美しく華奢な女性が、四苦八苦しながらも健闘し、仲間と力を合わせてリノベーションを完成させるところを見ると、「もしかしたら私も・・」と触発され、番組の最後に発表されるかかった合計費用を聞くと、「あっ、それなら私も!」と思う人もいるでしょう。

日本と違い中古の持ち家率が高く、常に何だかの「リノベーション」の必要性を感じているところ、確かにとても魅力的ですよね!

しかし、ここには見落としがちな落とし穴があります。

まず、必要な大工道具や電気工具は持っていますか? 日本やアメリカと比べて、工業製品がはるかに高いNZで、必要な工具一式をそろえるのは決してお安くありません。 確かにPlacemakers Bunningsなど大型ホームセンターに行くと、かなりお手頃価格な工具も売っているので、素人目には安いし見た目は似たようなものだし、こっちでいいんじゃないかと思いがちです。

でも、やっぱり『安かろう、悪かろう』で、安い工具には安いなりの理由があるのです。はっきり言ってまったく仕事になりません!!

そして、次の落とし穴は、city councilへの申請準備やその費用、許可が出るまでの待ち時間などにまったく触れていないこと。 そういうことが不要なリノベーションではいいですが、工事そのものよりも煩わしいことでもあります。又、製図が必要な場合には、建築家や製図師にお願いしなくてはなりません。

最後に、TVでかかった時間や費用について、バックグランドで大勢のプロがお膳立てしていることを忘れずに!

TVに映らないところでの周到な準備や必要な材料の指示、無駄のない仕事がきちんと手配されているが故のリノベーションです。細かいことを言えば、家主がその家に住んでいる場合、リノベーションをする部屋の家具の移動や荷物の梱包から、工事に伴う掃除、ゴミの廃棄など、決して脚光を浴びないけど避けては通れない様々な雑事だけでも相当の時間や時には費用を要します。

又、いくらプロとは言え、Builderにお仕事を依頼した場合でも、TV番組のように大勢の人の力がある訳ではありません。時間はもっともっとかかるし、工賃を含めるとTVの費用ではとても賄えません。

なんだかネガティブなことを並べ立てたようですが、はまれば本当に楽しいリノベーション!それが自分で出来た時の喜びはひとしおですよね。夢のような番組をすべて信じないで、現実をしっかり見据えながらがんばってください!

Share this Post!

関連記事

TOPへ